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「湾岸戦争報道資料集」あれこれ [プライベート]

朝雲新聞社の記事(平成3年9月5日)
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 平成になって間もなくの話ですが、私が真駒内駐屯地で勤務していた頃、イラクが、クウェートに侵攻したことから湾岸危機が起き、戦争に発展したことがありました。その時、日本はどのような貢献をすべきかと国内世論はすったもんだの激論が交わされたあげく、戦後の機雷処理のためにようやく海上自衛隊の掃海艇が派遣されるに至り、国際社会に対して、かろうじて面目を保ったという経緯がございました。巨額な資金は出すものの、人を出して一緒に汗をかこうとしない日本のスタンスは戦後、クウェートが出した感謝広告に列国の国旗が並ぶ中、日本の国旗が見当たらないというという出来事に象徴されるように、世界における日本の存在意義が問われることがあったことは、皆さんも少なからず記憶にあるのではないでしょうか。
 「湾岸戦争」それは、戦争という国家の危機に際して国際社会が如何に対応するのかできるのか、その時日本は血や汗を流してまで他国の危機に対して手を差し伸べるのか、おそらく戦後、日本がいわゆる経済大国となって以降、初めて経験する試練でした。『世界の中のニッポン』の国際的責任が問われたのです。
 あのとき、国内のマスコミは大新聞の論調で見ますと、大きく読売・産経対朝日&毎日の構図に象徴される大激論が交わされました。それは、自衛隊派遣を含めて積極的国際貢献を主張する読売&産経と、それに否定的スタンスをとる朝日&毎日の論戦でした。長くなりますのでこの稿では細部は省略いたしますが、その時、私はその構図に何故か興味を持ち関連記事や社説などを比較すべく、切り抜きを始めました。スクラップ帳は、同じテーマに関する論調の違う社説や記事を左右に並べ、私なりのワンポイントのコメントもつけたもので、約1年後には、B4サイズで数百ページに及ぶものとなっていました。その時、そのスクラップ資料集は、単に私の個人的興味の産物を超えたものになりそうだとの予感が頭をかすめました。そこで、私は、「私家版資料集」として見やすく再整理してまとめ、自費で印刷をいたしまして、それまで教育などでお世話になった方々にお送りして意見を求めました。するとその中のお一人であった朝雲新聞社の川端編集長から、すぐさま反応があり、「凄いものを創りましたね。あなたの資料集は非常に面白いので、ぜひ記事にしたい」とのお電話を頂き、添付したような朝雲の平成3年9月5日付けの記事となりました。その記事が出てからというものの、私の職場には「資料集が欲しい」との電話が1日中鳴りっぱなしという状況が続きました。陸海空自衛隊の幹部からのものが多かったのですが、中には中央の審議官というような方もおられました。それくらい皆さん、当時は日本の湾岸戦争に対する対応、なかんずく世論をリードするマスコミの論調に強い関心を持っていたということなんです。
 その後、資料集は様々な方のご支援により増刷され、政治家やマスコミ関係者にも広く配布されました。読売新聞本社編集委員の原田暻氏や、産經新聞の論説委員の岡芳輝氏などからも高い評価を頂き、皇太子様と雅子様の御成婚の記事であふれる平成5年6月13日付けの読売新聞朝刊片隅のコラム欄に私の資料集のことを原田様に御紹介頂きました。(添付記事参照)
 あれから、随分と時は流れまして、自衛隊はその後、カンボジアPKOに始まりイラク派遣に至るまで様々な国際貢献活動に活躍するのが常態となって参りました。防衛庁も昨年防衛省に昇格し、時代は大きく変わってきたようにも思います。しかしながら、あの時私なりに分析した日本の世論の構図は、今でも基本的には変わっていないように思えます。日本が国際的に危機に瀕した時、また必ずやあの時と同じ構図の議論が展開されるであろうと思うのです。このことに関してはまたその内に記述してみたいと思います。
 先日ふと思い立って、私の資料集のタイトルであった「湾岸戦争報道資料集」で検索をかけてみますと、何と!googleのトップで、この資料集がヒットしました。そして、そのサイトを開いてみますと、驚いたことに古書として1万円ほどで販売されておりました。http://www.kosho.jp/list/815/03482330.html 
 どなたか、手にはされたものの、くだらない?資料集だと手放されたのでしょうか? もう私の手元には、その資料集は残っておりませんので、自ら買い戻してみようかと迷っております。でも、私の手元に置いておくよりは、関心のある方に見て頂いた方が世の中のためになると思うので、欲しい方は上記にアクセスしてみて下さい。

読売新聞の記事(平成5年6月13日)
読売資料集記事小さい.jpg






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