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元特殊作戦群長荒谷卓氏に関する記事に思う [安全保障・防衛]

 ★読売新聞12月25日夕刊の記事
荒谷卓氏記事350.jpg


 クリスマスの日の読売新聞夕刊に特殊作戦群関連の記事を見つけました。
 初代特殊作戦群群長であった荒谷卓氏(51歳)にまつわるコラムです。荒谷氏は東京理科大出身であり、特殊作戦群長を勤めた後、2008年に1等陸佐で中途退職をされております。
 現在は、明治神宮武道場「至誠館」の館長として「自己を犠牲にして社会に奉仕する精神を子供たちにも伝えたい」と小学生を含む門下生らに「武士道」を伝えている…とコラムには記載されております。
 荒谷卓氏は本も出版されています。

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http://sankei.jp.msn.com/culture/books/100404/bks1004041042011-n1.htm

 「武士道」を掲げ陸上自衛隊の新たなる部隊の基礎を築かれた荒谷氏がなぜ陸上自衛官を中途退職されたのは知る由もありませんが、産經新聞の記事(下記アドレス)にその一端を垣間見ることができました。
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/090802/trd0908020802002-n1.htm
 その中にはこのような下りがありました。
『(中略)逆に、乗り越えがたい壁も立ちふさがった。「特戦群は虎の子。最後の最後に投入すべきだ」。これが陸自幹部の大勢で、イラク派遣を経ても変わらない。実戦に即した訓練をすれば、保身をはかる幹部が飛んでくる。「政治的にいつでも運用できる能力を備えても、それに見合った任務に使う気構えがない」。入隊時の違和感が頭をもたげた。「日本のために戦える場所ではない…」。群長離任から1年半後、制服を脱いだ。』

 国際的には、当たり前の存在である特殊部隊が編成されながら政治がその手段を「全く」使う気がないのであれば意味がないということでしょう。それは、自衛隊そのものについても言えることです。
 軍事力は使われないことが最善である。使われないことがベストでありながらも、「時に臨んでは危険を顧みず」との宣誓のもとにまさかの時の任務に邁進するからこそ、自衛官たちの使命は崇高なのである。しかし、為政者に鼻っからその軍事力を使う意志がなければそれは正に無用の長物、予算の無駄使いでしかなかろう。訓練に邁進させられる隊員たちも無駄な汗を流していることになってしまう。
 しかし多くの国民は、サラリーマン化した自衛隊に血税を払いたいとは思っていないはず。もし国難の時にその力を発揮できなければ「そら見たことか」とマスコミも含め非難の嵐になろうことは想像に難くない。
 また、「戦える自衛隊」そして『国として「自衛隊を使う気概」』が在ってこそ、抑止力足りうるのであります。
 為政者にも軍事力を行使する重い責任と決断力が求められるのです。その意味では日本の政治家で戦略眼や軍事に精通した人は極めて限られた数にとどまります。

 「武士道」で思い出すのは、陸上自衛隊がイラク復興支援活動に赴いたとき、番匠1佐以下の派遣部隊が、まさに日本から来た現代のサムライとして、「武士道精神」を掲げ無私の精神で活動に当たり、一人の犠牲者を出すこともなく任務を完遂して帰って来たことです。
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番匠群長あいさつ(日の丸バック)350.jpg


 拙作DVD「北の防人たち」の冒頭シーンでもこのことを紹介させていただいております。
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http://www.excel-hobby.com/shop/index.php?main_page=product_info&cPath=1_74&products_id=1254

 形創って魂入れずでは、活きた組織とはならず、国がそのための大義を与えてやらねばまさかの時に戦えません。
 政治の延長上としての軍事の位置づけに未だ躊躇している日本は、龍馬や坂の上の雲の秋山兄弟らの魂を忘れてしまったのでしょうか…。
 



 
戦う者たちへ

戦う者たちへ

  • 作者: 荒谷 卓
  • 出版社/メーカー: 並木書房
  • 発売日: 2010/02/22
  • メディア: 単行本



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