第20回星の降る里芦別映画学校 [イベント紹介]
11月17日。みぞれ降る中を高速バスに乗り約2時間、17年ぶりに芦別市に行って来ました。
大林宣彦映画監督が校長先生をつとめる「映画学校」も今年で20周年。これまで毎年行われていたふるさとテーマのビデオコンテストですが、今年は20回目の節目ということで、これまで「大賞」を受賞した皆さんを呼んで20年を振り返りまた新たなスタートを切ろうとの趣向です。
私も平成7年に「ふるさと・ひと夏のメモリーズ」のタイトルで『親のふるさと九州の夏休みを道産子の子供達が体験する』と言うコンセプトの作品を応募して大林監督から大賞を頂いたのでした。
まさに私のその後のビデオ人生を決定づけたのが大林監督からのこの大賞受賞であったのです。
上映会場では、大林監督ご夫妻をはじめゲストの皆さんと一緒に地元の市民の皆さんも一挙に上映される歴代大賞の作品を観賞しました。
私の作品上映の後、大林監督からは、「映っている子供達も大きくなられたでしょうね」との問いが。 「撮影当時は小学生だったのですが、男の子2人は結婚し、長男は孫を連れて帰って来ています。」と私が答えますと監督は、感慨深げでした。そしてラストシーンの長女の「後ろ歩き」(下記シーン)のことをまた絶賛して頂きました。(たしか17年前の大賞受賞の際もそうでした。)大林監督にとってもとても印象に残るシーンだったのでしょう。
これは演出ではなく子供の無邪気さからくる偶然のシーンであったと思うんですが、予想だに出来ない子供達の行動やおしゃべりは如何なる演出よりも優れていると改めて思いました。
ウェルカムパーティーでは、「お帰りなさい監督!」コールに迎えられ、大林監督ご夫妻やスタッフの皆さんを囲んで大いに盛り上がりました。
下記写真は右から大林宣彦映画監督ご夫妻、ビデオ仲間の大塚鈴枝さん、そして私。大塚さんは、平成8年「カラスなんて怖くない!道庁前庭より」で大賞受賞。動物を追うドキュメンタリー撮影を得意とされています。
下記写真左端は、滋賀県からはるばる参加した大家有香さん。昨年度「返事はいらない」で大賞を受賞しました。さすが若者らしい感性の鋭さを感じさせる作品でした。ゲストの皆さんも今回上映のラストを飾ったこの作品には、インパクトを受けた様子でした…
上映順については、拙作「ふるさと…」から始まり「返事はいらない」まで、何か作為されたのではないかと言うくらい絶妙な上映順番に感心される方もおられました。(単に年代順に過ぎないのですが…)
東日本大震災に触れて、ガレキに花を描く活動をしている被災地の高校生たちのことを会場に集まった皆さんに自ら紹介する大林監督の姿に感銘を受けました。
ゲストの猪俣南さん(下記写真)は、今年公開された長岡市を舞台にした大林監督の映画「この空の花」に「謎の少女」として出演しておられます。
とても賢そうな(失礼!数学教師を目指す20歳の女子大生だそうです。)将来有望の女優の卵です。注目すべき新人女優です。
大女優の片鱗が感じられる南さんでした。
外は冷たいみぞれが降る初冬の芦別でしたが、大林監督御夫妻の優しさや情熱、映画学校の創始者とも言うべき故鈴木評詞さんへの感謝、そして20年と言う長きに渡って芦別の地元の皆様に受け継がれている映画学校に対する熱い想いによって、私は心をとっても暖かして頂いた気持ちになり、札幌への帰路に着いたのでした。
http://www.hoshifuru.com
ぼくの青春映画物語 ―穏やかな一日を創造するために (集英社新書)
- 作者: 大林 宣彦
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2000/11/17
- メディア: 新書
2012-11-18 22:08
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