火箱芳文氏の“即動必遂”を読む [書籍紹介]
元陸上幕僚長の火箱芳文氏が著した東日本大震災時の記録「即動必遂」を一晩で読み終えた。
巻末の後書きにもあるが、これは東日本大震災発災時に陸上幕僚長の職にあった火箱氏が克明に書き留めていた「日記」がベースとなっている。
あの未曾有の大災害に直面した自衛隊、その中核の活動を為した陸上自衛隊のトップが、その時、何を考えそしてどう組織を指揮統率したのかが紙面を通じてひしひしと伝わって来る。
またご本人の人情味溢れる人柄も随所に垣間見えこれもまた興味深い。
国家国民のために一生を終えるまでには何としてでも大震災時のかけがえのない教訓をまとめねばと思いつつ4年が経過してようやく本書発刊の運びになったそうである。
政治的な配慮を優先すれば、筆先も逡巡するであろう場面も多々あるが、率直に「日記」記載の時の素直な感情がそのまま表現されており、それもまた今後の貴重な教訓となるであろう。オブラートに包むこと無く記述されているのである。一般の国民の方々にも是非読んで頂きたい1冊である。
火箱氏は政治家でも官僚でもない。軍事組織の長、“武人“である。
この平和に浸り切った日本に、このような組織と防人たちが人知れず培われて来たことにも、あらためて深い感動を覚えた次第である。
★火箱陸幕長時代、空挺予備員降下訓練後のスナップ(上記写真)
2015-04-04 08:24
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