杉山隆男著「兵士は起つ」を読んで

　先日紹介した杉山隆男著「兵士は起つ」を読み終えました。
　私は、何度も涙が込み上げて来るのを止めることができませんでした。
　震災の被害者でもあった陸上自衛隊多賀城駐屯地に所在する第２２普通科連隊の隊員たちの献身的な活動を中心に隊員たち一人一人の心情までも細やかに克明に描かれているこの著作は杉山氏の自衛隊とその隊員たちに対するとてつもない熱い想いの結晶であると思いました。

　６年前に発刊された「兵士になれなかった三島由紀夫」（上記写真）が、杉山氏の一連の「兵士シリーズ」最終章と言われておりました。
　しかしながら、東日本大震災が起き、まさに国難とも言うべき未曾有の大災害に際しての自衛隊史上最大級の１０万人を超える災害派遣活動を目の当たりにして、おそらく杉山氏の心が動いたのでしょう。（全く私の勝手な憶測ではありますが…）
　震災派遣活動において自衛隊が注目される中、「自衛隊は目立たない方がいい。自衛隊が大きく報道されると言うことは、それだけ大変なことが起こっているということだから。」という一人の隊員の言葉が本の中で紹介されている。
　 陸上自衛隊が掲げる誇り高き陸上自衛官の心構え「挑戦」「献身」「誠実」はまさに大震災の最中にあっても一人一人の隊員たちによって忠実に実行されたのだと感じました。
　隊員たち一人一人がその一員であることを誇りにする「自衛隊」という素晴らしい組織が戦後日本の中で営々と60年に渡って受け継がれていると言うことを杉山氏はペンの力で世に訴えたかったのではないでしょうか。

　３月１０日に日本テレビ「バンキシャ」で震災特集をやっておりました。
　「兵士は起つ」でも書かれていた航空自衛隊松島基地の救難隊長である佐々野２等空佐の当時を振り返っての悔しい思いが、いま、隊の新たな即応態勢に反映されている様子が紹介されていました。

松島基地のホームページによれば、あのブルーインパルスが３月３１日に２年ぶりにベースである松島基地に帰ってくるそうです。
http://www.mod.go.jp/asdf/matsushima
　訓練環境も整い、再び千歳基地航空祭など全国で素晴らしいデモフライトを見せてほしいものです。

兵士は起つ: 自衛隊史上最大の作戦

• 作者: 杉山 隆男
• 出版社/メーカー: 新潮社
• 発売日: 2013/02/18
• メディア: 単行本

「兵士」になれなかった三島由紀夫 (小学館文庫)

• 作者: 杉山 隆男
• 出版社/メーカー: 小学館
• 発売日: 2010/04/06
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ブルーインパルス2011「絆」 [DVD]

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NHK VIDEO 天空のアクロバット～ブルーインパルスの男たち～ [Blu-ray]

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